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強さとは一体何なのだろう。
その答えが人それぞれなのだとすれば、自分の答えはどれか。
少なくとも、この現状が自分の望む強さの在り方でないことは確かだ。
目の前の惨状を直視するのは辛かった。自分も手を下した内の一人だと思うと余計に。
「何ぼけっとしてるんだ」
軽く足を蹴られて初めてスカイファイアーは呼ばれていたことに気付いた。
目を合わせた瞬間、焦れたように自分を見上げるスタースクリームの顔が不快そうに歪んだ。
「行くぞ。撤収だ」
どうやら突っ立っていた自分をスタースクリームは待っていてくれたらしかった。
辺りにはもう仲間の姿はなく、調査のため、という名目で命を奪われた生命体が倒れているだけだった。
「スカイファイアー」
歩き出していたスタースクリームが振り返り、声を荒げる。
「少し、待ってくれ」
はあ?と首を傾げた彼に構わず、スカイファイアーは屈み込んでこの星で生きていた小さき者の身体を抱き上げた。
その柔らかな身体は力無くスカイファイアーの掌から垂れ、冷たく、ずしりと重かった。
「どうするつもりだ?」
サンプルの採取はもう済ませたぞ、とスタースクリームが不思議そうな顔をする。
サンプル。
それは確かに正しい言葉で、それを使うスタースクリームはどこまでも科学者なのだった。
ちくりとした痛みを感じてスカイファイアーはゆっくりと首を振った。
「埋めるのさ」
スタースクリームは何のためだ、と言い掛け、途中で言葉を切った。
「理解し難いな」
呟いて、彼はじろりとスカイファイアーを睨んだ。
全く理解し難い、繰り返してスタースクリームは溜息をついた。
「どこに埋めるんだ」
ぶっきらぼうな問。
「……どこにしようか」
込み上げてきた何かに声を詰まらせ、掠れた声でスカイファイアーは答えた。
*2010/02/17