もう朝か。
少ししょぼしょぼしてきた目を擦り、ショウキはモニターから顔を上げた。
とりあえず異常なし、と。
パネルを叩いて警備システムにアクセスする。
「お疲れ」
タイミング良く入ってきたスイケンに頷いて、システムに交代を告げる。
「後は頼んだぞ」
「ショウキは少し休んでくれ」
「ああ、ありがとう」
モニタールームを出るとショウキは夜勤明けの気怠い身体を思いっ切り伸ばした。
まだ朝が早いせいか廊下には誰もいない。
エネルギールームに直行してチャージャーに寝そべって溜息を一つ。
疲れた身体へ素早くエネルギーが行き渡る感覚が何とも言えず心地良い。
蓋が開いた後も少し余韻に浸っていると、ひょこ、と顔が覗いた。
「お早う、ショウキ」
「ん、ユキカゼか。早いな」
「仕事終わったの?」
「ああ。今代わる」
「ありがと」
起き上がると、ユキカゼが手を差し出してくる。
「そんなに疲れてないぞ」
手をはたくとユキカゼはにやっと笑った。
ショウキも笑い返して言う。
「お前こそ一人で大丈夫か?手を握っていてやろうか」
「ちぇ」
頬を膨らませたユキカゼに手を振ると、少々乱暴に蓋がしまった。
しばらくして出て来たユキカゼはチャージャーの傍で居眠りをしているショウキを見つけて苦笑した。
「しょうがないなぁ」
呟いて肩を叩く。
「ショウキ、ショウキってば」
「ぁあ…」
「寝るなら部屋でね」
もにょもにょ呟いて目を擦ったショウキを抱えて立ち上がらせる。
「ほら、ちょっとは自分で歩いてよ」
すっかり寝入ってしまったショウキにユキカゼは世話が焼ける、と溜息をついた。
部屋まで連れて行ってよいしょ、とベッドに寝かせたところでやっとショウキが目を開けた。
「悪いな」
「しっかりしてくれよ、少し働き過ぎじゃ?」
「ちょっと休めば大丈夫だ」
「じゃあそれまで俺が仕事やっとくから、安心して寝ててくれよ」
「ユキカゼも大きくなったな」
「やめろって、怒るぞ」
はは、と笑って布団に潜り込んだショウキを小突いて、ユキカゼは山積みの仕事に目を遣った。
「ひとりで抱え込みすぎなんだよな」
肩を竦めてモニターの前に座りキーを叩く。
鼻歌を歌いながらデータ入力をしていると、枕が飛んできた。
「痛っ」
「お前の歌は酷すぎる」
「言ったな、このっ」
報告に来たスイケンは枕の羽がそこらじゅうに飛び散った中で笑いころげる二人を見てそっとドアを閉めた。
「二人ともまだまだ子供だな」
またあとにするか、とスイケンは可笑しそうに首を振った。
*2008/09/29
*2009/06/22 加筆修正