腕の中でごそごそと落ち着きのないスタースクリームにメガトロンは視線を落とした。
「どうしたんだ」
「どうしたもこうしたもありませんよ!さっさと離してください!」
「何故離さなくてはいけない」
せっかく捕まえたのに、と付け加えるとスタースクリームは顔を真っ赤にして怒り出した。
「嫌だって言ってるでしょうが!この…むぅっ」
振り上げた手を押さえ、噛みつくように唇を奪った。
驚いて逃げようとするのを引き留めて口づけを深くする。
スタースクリームは渾身の力でメガトロンを突き飛ばしその腕から逃れた。
あがっている息に舌打ちして口をぐいと拭う。
「なんのつもりですか」
睨みつけてもさっぱり応えていなさそうな表情のメガトロンに苛立ちがつのる。
自分ばかりが振り回されて。
こんなことされるなんて、信じられない。
一体どういうつもりなんだ。
怒りと困惑の色を浮かべている部下を見て、メガトロンは口を吊り上げた。
「スタースクリーム、逃げるな」
呼ぶと、警戒しつつスタースクリームは近付いてくる。
腰に手を回して引き寄せると、とたんに逃げ腰になった。
「メ、メガトロン…」
怯えたような声に笑って煩い口を塞ぐ。
身を捩るスタースクリームを力強い手ががっちり押さえ込む。
「煩い奴だな」
耳元で囁かれた声に動揺した目がメガトロンを見る。
「今度は何の罰です…?」
小さく聞かれた言葉に吹き出す。
「罰だと?何の話だ」
「罰じゃないんですか?じゃあ何…」
「こんな甘い罰を与えるほどわしは優しくないぞ」
頬を撫でると訳が分からない、といった顔のスタースクリームがもごもごと言う。
「罰でなけりゃなんです。嫌がらせですか。俺じゃ無くったってこんなことする相手はいくらでもいるでしょうが」
「お前が良いのだ」
「だ、だってあんたにはレーザーウェーブもサウンドウェーブもいるじゃないですか!なんで、なんで俺なんです、気紛れの相手なんて嫌ですよ!」
「レーザーウェーブもサウンドウェーブもお前とは違う。気紛れの相手でも無い」
「…わかりませんよ」
俯いてしまった顔を上げさせて軽く啄むようなキスを落とす。
ん、と身体をもたせかけてきたスタースクリームは小さく溜息を吐いた。
「俺はあんたがわからない」
肩を竦めて笑うと、スタースクリームがへの字に曲げた口を荒々しくぶつけてきた。
それを受け止めて出来る限り優しく口づけをする。
力を抜いたスタースクリームの背中に回した手に力を込める。
小さく吐息を漏らしてすり寄ってくる身体を抱いて、大帝は満足げな笑みを浮かべていた。
*2008/09/20
*2008/11/26 加筆修正