「ったく、しょうがねぇなぁ」
ブリッツウィングがアストロトレインの腕の損傷度合いを調べながらぼやいた。
「大体俺に頼もうってのが間違ってるんだよな。ビルドロンに頼んだ方が絶対確実だって分かってるだろ?」
道具を取りに行きながら声を投げられ、アストロトレインは肩を竦めた。
「ビルドロンは他のことで手一杯なんだよ。いつも治してやってるんだからたまにはいいだろ」
口をへの字に曲げてこちらへ向き直ったブリッツウィングは道具を手で弄びながらまだ不服そうな顔だ。
「まぁそうだけどよ」
俺がこういうの苦手なの知ってる癖に、と投げ遣りに道具を持ち替える。
「…しょうがねぇ、腕出せよ」
がー、ぎーと金属の擦れ合う音にアストロトレインは少し聴覚センサーを絞った。
ブリッツウィングの修理の腕はお世辞にも良いとはいえないが、自分の為に一生懸命やってくれるのを見るのは好きだった。
腕が終わるとブリッツウィングは腹に取り掛かった。
装甲を擦った程度なので、内部に損傷は無い。
損傷が酷かったらいくらアストロトレインでもブリッツウィングにリペアを頼みはしないだろう。
うーん、と傷を見ながらブリッツウィングが首を傾げる。
「これはどうする?上から塗るだけで良いか?それとも、総取っ替えするか?」
塗るだけで良いだろ、という期待を込めた視線が送られる。
どうしようかな、とわざと考えるような態度を取るとブリッツウィングは落ちつかなげに足踏みをした。
「な、な、塗るだけで良いだろ?」
「…よし、良いぞ、ただし」
付け加えてちょいちょい、と手招きをする。
ん?と顔を近付けてきたブリッツウィングの胸倉をぐいと引き寄せる。
「むー!ん、ん、むむ!」
「…何しやがんだ!」
「これで塗るだけで良いぞ」
にんまり笑うと顔を真っ赤にしたブリッツウィングは握った拳をぶるぶると振るわせた。
「もう何もしねぇよ!」
言うとどたーんとドアを蹴破って出て行ってしまった。
ちぇ、とそれを見送って腹を見る。まぁこれならしばらくほっといても良いだろう。
ブリッツウィングの機嫌をとってそのうち治してもらおう。
*2008/09/14
*2008/11/25 加筆修正