タイトルはお題サイト「シェイクスピア」様より。
ぶらっと出かけた帰り道。
とりあえずお腹もいっぱいで、シャープネルはとてものんびりした気分だった。
半歩ほど後からついてくるキックバックも、いつになく大人しい。
ボンブシェルはもう少し食べてから帰る、と言って後に残った。
住み家を見下ろす高台から、夕焼けが染める景色を眺める。照り返しを受けて緑の森も今は鮮やかな赤に染まっている。
隣をみると、ぼけーっと見下ろしているキックバックの肩に何か止まった。
あまりに小さいので目をこらしてよく見ると、トンボだった。
透き通った小さな薄い羽はシャープネルが触れたらたちまちこわれてしまうだろう。
とんっとキックバックの肩を叩くと、トンボはどこかへ飛んでいった。
なんだよ、と訝しげな顔でこちらを見るキックバックをばしん、と叩いてみた。
「いってぇなぁ!」
とたんに顔をしかめて、叩き返してくる。
もう一度緩く叩いて、シャープネルは笑みを浮かべた。
キックバックが触れたら壊れてしまわないことが無性に嬉しかった。
「おかしなやつだな」
そういってシャープネルを変な顔で見ると、キックバックはトランスフォームして飛んでいった。
飛んでいくキックバックを眺めて、頷くとシャープネルもトランスフォームして後を追いかけた。
脆いものはそれ故に儚く美しいけれども、自分達にはそんなものは似合わないのだ。
*2008/08/27 前ブログより転載・加筆修正
*2008/11/25 加筆修正