「最近寝不足なんだよな」
大きな欠伸を漏らしてスカルが呟く。
「どうも寝付きが悪いし、夢見も悪いときてる」
確かに普段に輪を掛けて反応が鈍いし、疲れた顔をしている。
「欠伸ばっかでんだけど、どうも寝付けなくて」
ふう、と溜息をつくのに可哀相になってワイプは「催眠術かけてやろうか」と提案した。
「頼む」
頷いてワイプは催眠術をかけ始めた。
しばらくするとスカルはぐっすりと寝入った。この方が落ち着くんだ、とトランスフォームして床に丸くなって。
たまに漏れる息と軽くゆれるしっぽを見てワイプは微笑んだ。
少なくとも悪い夢を見ている訳ではなさそうだ。
ワイプが仕事を始めてしばらくすると、扉が開いて荷物をたくさん抱えたウルフが入ってきた。
注意を促す間もなく床に丸くなっていたスカルにつまずく。
がっしゃーん、と盛大な音を立てて辺りにディスクだのテープだのが散らばった。
呻き声をあげて起き上がったウルフは何につまずいたのかと見て、思いっ切り顔を顰める。
「お前こんなところで寝るなよ!」
突然上に倒れ込まれてびっくりして飛び起きたスカルは呆然としていたが、ウルフに怒鳴られて不機嫌な顔になった。
「お前こそ気を付けろよ」
こっちは寝てるんだから、とぶつぶつ言う。
溜息をついてウルフは散らばったディスクを集め始めた。
ぼけっとしているスカルを蹴り飛ばして「お前も手伝え」と怒鳴る。
しぶしぶ手伝い始めるスカルをワイプが笑っていると、「お前もだ!」ととばっちりを食った。
一通り集め終わったところでウルフが腰を伸ばしながら尋ねる。
「で、なんでスカルはあんなとこで寝てたんだ」
「寝不足なんだと」
ざっと説明してやると、呆れたような顔をする。
「先週メンテしてやったってのにしょうがねぇな」
「メンテの後は特に駄目なんだよ」
「ああ?!俺のメンテがわるかったつうのか」
「そんなこと言ってないだろ」
ただ、と言い淀むスカルを苛々とウルフが促す。
「体弄られた後って寝られないだろ…」
「弄られた、ってお前…ワイプ、違う事考えてるだろ」
「え、いや、別に」
「俺は何もしてないからな。ただこいつの機動系を見てやっただけだぞ」
全くとんでもない馬鹿どもだ、と怒ってウルフは出て行ってしまった。
「なんであんな怒ってんだ?弄ったとこが馴染むまで時間かかるってだけなのに」
また欠伸をしながらスカルが聞く。
「お前のせいだぞ、何考えてたんだよ?」
ちょっと睨まれてワイプは肩を竦めた。
「いや、ほんとになんでもない。…もう一回寝るか?」
「うーん、いや、いいや。ウルフのとこ行く」
「そうか」
*2008/09/11
*2008/11/24 加筆修正