midair





「おい」
 こちらを見るスタースクリームは怒ったような困ったような顔だ。その頭に止まったコンドルは、鋭い目を一層鋭くしている。
 どうしたのかとコンドルを見ると、かちりと勢いよく嘴がスタースクリームの頭に振り下ろされた。
 怒っているのか。
 スタースクリームはぎゃっと情けない声を出しつつ、無視されたことに対しての苦情を喚くという器用なことをしている。その間もかちりこちりがつりとコンドルの攻撃は止まない。
「こいつが!さっきからずっと!いて!こら!やめさせろ!」
 サウンドウェーブ!と叫ばれて、ようやくスタースクリームと目を合わせる。そんな顔で、そんな声で、名前を呼ばれるのは悪くない。こうして自分に彼の意識の全てが向けられている時には特に。
 コンドルを呼ぶと、最後だとばかりに力を込めた一撃を叩き込んで、スタースクリームの足元がふらつくのを尻目に一直線に飛んでくる。
 伸ばした腕に心地よい衝撃。コンドルは攻撃的な嘴を閉じ、サウンドウェーブの目を見て首を傾げた。頷き返すと、そっと頭に擦り寄ってくる。
 ストレスを発散して、すっかり機嫌が直ったらしい。耳元に、肩の上で居心地良くおさまったコンドルの親愛のこもった嘴の感触。
「よくやった」
 なんだよ!というスタースクリームの情けない声を、コンドルが笑っている。




*2014/08/22