瓦礫を押し退けたところで、サンダークラッカーは探していたものを見つけた。
がしゃんと乾いた音とともに転がり落ちたドローンの身体を脇へどかす。
辺りを見回したのは、スタースクリームにそれを見られたくなかったからだ。
少なくとも今見られるのは得策ではない。
手を伸ばしてサンダークラッカーはそれをそっと抱き上げた。
ひどく軽い。かつての友は、彼の腕の中で軽口を叩く事もなく黙っている。
真っ白だった装甲はオイルや煤にまみれて見る影もない。
サンダークラッカーの手も汚れていたから、装甲をゆっくり滑った指はその上に一層黒い筋を残しただけだった。
目の高さに掲げてもはや光を宿す事のない目を覗き込む。
千切れたケーブルから滴ったオイルがサンダークラッカーの腕を伝った。
同時に込み上げてきた感情にサンダークラッカーは歯を食い縛った。
なぜだ、と聞くにはもう遅すぎる。
彼らの道はとっくに分かたれていたのだ。
サンダークラッカーの選択は既に為されていた。
ラムジェットがスタースクリームにつくことがなかったように、サンダークラッカーがドレッドウィングにつくことはなかった。
食いしばった歯の間から嗚咽がもれた。
どちらを選べば良かったというのだ?
己の選択は正しかった、そうではないか?
今、自分はここに立っている。ラムジェットは死んだ。
腕にラムジェットを抱いて、サンダークラッカーは空を仰いだ。
込み上げてきたものは一瞬溢れ出しそうになって、次の瞬間には消え去ってしまった。
サンダークラッカーは自分が喜んでいるのか、悲しんでいるのか、わからなかった。
溜息をつくとサンダークラッカーはラムジェットの首をそっと地面に置いた。
スタースクリームの元へ向かおうと背を向けて、それでもまだ立ち去りがたく。
もう一度振り返って暗い目を見つめる。
自分の振りまいていた死に捕らえられた気分はどうだ。
それは与える死と同じほど甘美なものか?
その目は何も語らず、サンダークラッカーは今度こそ歩き出した。
ただ、戦果を競う相手のいなくなったことはとても寂しいような気がした。
*2009/06/26