スコーピオンは宇宙を彷徨っていた。
とりあえずの目的はエネルギーの補給だが、いまだエネルギー資源を有する惑星は見つけられずにいる。
暇を持て余して、デストロンターゲットマスター達はメインホールにてだらけていた。
コントロールルームの言い争いをバックミュージックにだらだらとどうでもいい話を続けている。
エネルゴンの制限が始まったので、会話が弾むはずもない。
途切れがちになった会話にスラッグスリンガーはこっそり欠伸をして部屋へ戻る事にした。
トリガーハッピーが視線を向けてきたのにその旨を告げて立ち上がる。
ふらっとホールを出ると小走りでカリバーストが後を追い掛けてきた。
「まだ喋ってればいいじゃねぇか」
肩に飛び乗ったカリバーストに苦笑する。
パートナーだからと言っていつも行動を共にしなくてはいけないわけではない。
「いいんだよ」
俺も部屋に戻りたかったんだから、と言ってカリバーストは足をぶらぶらさせる。
「蹴んじゃねぇぞ」
おざなりに注意して、スラッグスリンガーはのんびり歩く。
「あ!」
カリバーストが声を上げて外を指差した。
「お、星雲か」
「綺麗だな」
星雲の横を通り過ぎて、スコーピオンはなおも先へ進む。
流れていったそれを見送ってスラッグスリンガーも再び歩き出した。
「はやいとこ外に出たいぜ」
身体が鈍ってしかたねぇ、とぼやいてスラッグスリンガーは肩を回した。
ぴょん、と飛び上がったカリバーストはくるりとトランスフォームしてふわふわ浮かぶ。
笑ってカリバーストを捕まえたスラッグスリンガーはぽんぽん、とそのボディを叩いた。
「お前も早く戦いたいってか」
「なぁちょっと遊ぼうぜ?」
「そうしたいのはやまやまだけどな…エネルギーの無駄遣いはできない」
「ちぇ」
トランスフォームしてまた肩に座ると、カリバーストはつまらなそうにぽこぽこスラッグスリンガーの頭を叩く。
「いてえよ。退屈ならガルバトロンとザラクの言い争いの仲裁でもしてこい」
不可能を言うスラッグスリンガーを睨んでカリバーストは肩を竦めた。
と、入った通信に顔を明るくする。
[前方に惑星発見。まもなく到着だ、準備を整えておけ]
淡々としたサイクロナスの声にスコーピオンの中に歓声が響く。
一気に活気を取り戻した艦内で、スラッグスリンガーは楽しそうにカリバーストを見た。
「準備はできてるな?」
「誰に言ってるんだよ」
ふん、と鼻で笑うカリバーストに満足げに頷いて、スラッグスリンガーは来た道を引き返し始めた。
先ほどまでだらけた空気の蔓延していたメインホールからは賑やかな声が聞こえてくる。
*2008/10/23