midair





 突然ダイナザウラーが基地から恐竜型にトランスフォームしたので、内部で寛いでいたデストロン達は一瞬騒然となった。
 廊下をのんびり歩いていたサイクロナスは滑り落ちそうになったのを必死に掴まって堪えると、トランスフォームして急いでコントロールルームに飛び込んだ。
「ガルバトロン様、ご無事ですか」
 何事もなかったようにゆったりと椅子に体を沈めたガルバトロンは、苛々した調子で命じた。
「何故ダイナザウラーが急にトランスフォームしたのか突き止めてこい」
 頷いて足早に部屋を出る。

「ラナバウト!ラナマック!」
 オクトーンのいなくなった今主にダイナザウラーの管理をしている2人を呼びつける。
「一体何があった?」
「わかりません、急なことでコントロールも不可能で…」
「何だか言っているのですが、よくわからないんです」
「…わかった、俺が話してみよう」
 外に出ると、ダイナザウラーはうろうろと何かを探すように動き回っている。
「ダイナザウラー!」
 呼びかけると、不機嫌な唸り声が返ってくる。
「何処へ行った?」
「何がだ」
 溜息をついてサイクロナスが尋ねるとダイナザウラーはじたばたと足を踏みならして言う。
「オクトーン何処へ行った!」
「オクトーンだと?あの裏切り者は今頃宇宙を彷徨っておるわ」
 ダイナザウラーは咆哮を上げて地面を叩く。
「オクトーン何故戻らない!」
「裏切り者には制裁が下されるものだ、大人しく受け入れろ。大体ラナバウト達がエネルギーの補給をしているだろう」
 聞き分けのない子供のようにぶんぶんと首を振ったダイナザウラーは、
「オクトーンが帰ってこないとデストロンのために働かない」
 などとごねだした。
 サイクロナスはごろごろ地面を転がりまわり始めたダイナザウラーを見て深く溜息をついた。
 内の惨状を思って首を振る。
 ガルバトロン様に伝えたらなんと言うだろう。伝える前に撃たれてしまうことはまず間違いない。
「わかった、わかったから転がるのはやめろ!」
 叫ぶとダイナザウラーはこちらを窺うように一瞬動きを止めた。
「本当か?」
「進言はしてみる…だがオクトーンが戻ってくる保証はないぞ」
 言うとまた転がろうとするのでサイクロナスは慌てて手を振った。
「いや、戻ってこられるように計らおう。だから転がるな!」
「よし」
 嬉しそうに頷いて起き上がったダイナザウラーは約束だぞ、とサイクロナスに顔を近付けると唸った。
 頷いたサイクロナスはガルバトロンになんと言おうか考えてまた溜息をついた。




*2008/09/05 前ブログより転載・加筆修正
*2008/11/24 加筆修正