話している間に眠り込んでしまったブリッツウィングにアストロトレインは目をやった。
くすりと笑ったオクトーンと顔を見合わせて苦笑する。
「こいつ、今だにどこででも寝るんだな」
オクトーンが可笑しそうに言ってエネルゴンを飲む。
「自己管理が甘すぎるんだよ」
またエネルギー補給をきちんとしなかったのだろう。
エネルギーの残りが少なくなると、消費を防ぐ為自然とスリープモードに入る事がある。
ブリッツウィングは武器のメンテナンスには力を注ぐが、自分に関しては呆れるほど無頓着だ。
戦闘中にエネルギー切れを起こしたらどうするんだ、といつも注意しているのに。
「どうする、もう少し飲んでくか?」
ぼんやり考えていたアストロトレインにまだ飲みたそうな顔のオクトーンが期待を込めて聞いてくる。
少し迷ってから、頷いた。
ほうっておいてもどうせ寝てるんだからかまやしない。
ブリッツウィングの顔を突きながら、オクトーンが頬を緩めた。
「こんだけ警戒心なく寝られるのはすごいよな」
お前がいるからかな、と付け加えられた言葉に眉を顰める。
「どういうことだ?」
「アストロトレインを信用してるからどこででも寝るんだろ。お前に会う前はこんなふうじゃなかったぜ?」
そういえばオクトーンはブリッツウィングが軍にいた頃に会った事があると言っていた。
俺は軍を出てからのブリッツウィングのことしか知らないのだ。
ちょっと苛立ちを覚えてぐいっとエネルゴンを飲み干した。
「やっぱり今日はもう引き上げる」
オクトーンに告げると、やや残念そうな顔をしたものの頷く。
「ブリッツウィングも連れて行けよ。起きた時にややこしい。」
「めんどくさいだけだろ…」
「そうとも言うな」
肩を竦めたオクトーンはにやっと笑ってエネルゴンを自分のグラスに注ぐ。
「また明日な」
追い掛けてきた声に手を挙げて返すとブリッツウィングを担ぎ上げたアストロトレインはオクトーンの部屋を出た。
ブリッツウィングの部屋に入るとその散らかり具合にアストロトレインは溜息をついた。こないだ掃除を手伝ったばかりだのに。
床に散乱した色々な物を跨いでようやくベッドに着く。
それなりの重さのある相棒を寝かせると、端にこしかけて溜息を吐く。
気持ちよさそうに寝ているのを見て、何とも言えない感情が込み上げてくる。
遣り場の無い想いを溜息に変えて吐き出すと、目を覚ましてしまったのか、ブリッツウィングが寝惚けたような声を出した。
「アストロトレイン?」
「…なんだ?」
「もうちょっといてくれよ」
俺が寝るまで、と呟かれた言葉に小さく笑う。
「しょうがねぇなあ」
ブリッツウィングの足をとん、と叩いてアストロトレインは呆れたように溜息をついてみせた。
*2008/09/03 前ブログより転載・加筆修正
*2008/11/23 加筆修正