「なあ、暇」
突然部屋にやって来たブリッツウィングにアストロトレインは呆れて言葉を失った。
「…暇、ってお前今日非番じゃねぇだろ?」
「うん、スタースクリームとモニター管理」
ブリッツウィングは答えると大きな欠伸をする。
「なんでいかねぇんだよ。またスタースクリームにどやされるぞ」
「うー」
唸り声を上げるが出て行こうとはしない。
「お前サボる気なら俺のところだけはやめろよな。巻き込まれんのはごめんだぜ」
ニュースディスクを流し読みしながら言うとブリッツウィングは隣に腰を下ろして頬杖をつく。
「ていうかなんでお前だけ非番なんだよ?いつも一緒だったじゃねぇか」
「ああ?知るか、サウンドウェーブに聞けよ」
「くそーお前だけ遊んでて俺は仕事なんてやってられねぇよ」
「遊んでねぇよ」
「同じようなもんだろ!」
言うなり勢いよくベッドに飛び込む。
がつん、と金属のぶつかる音にアストロトレインは思わず顔を顰めた。
「だからサボんなら余所でやれって!」
振り向くとブリッツウィングは枕の下に顔をつっこんで知らんぷりを決め込んでいる。
「聞けよ!」
うるさい、とくぐもった声が返ってきてアストロトレインは溜息をついた。
「うるさいじゃねぇよ、全く。人のベッドでよぉ」
反応がないので耳を澄ませると寝息が聞こえてくる。
「この野郎!」
枕を剥ぎ取ってぼすぼす叩いて床へ落とす。
ごろごろと床に転がったブリッツウィングはそのまま動かなくなった。
「いい加減にしろよ」
足で蹴り上げると悪態をついてしぶしぶ起き上がる。
それをひっ掴まえるとアストロトレインはそのままブリッツウィングをコントロールルームに引き摺っていった。
痛い痛い、とあがる抗議の声を無視してコントロールルームの中へ放り投げる。スタースクリームとサウンドウェーブ、それにサンダークラッカーが顔を上げた。
「ん?サンダークラッカー今日は非番じゃなかったのか」
「お前の相棒のお蔭だぜ」
全く、と苦い顔。
「悪いな。…じゃあこいつどうする?」
「サンダークラッカーとシフトを変えればいい」
サウンドウェーブが邪魔をするな、と言わんばかりに冷たく言う。
スタースクリームも興味なさそうにアストロトレインを一瞥しただけだった。
サンダークラッカーは来週俺と当番に当たっていたから、俺がこいつと一緒になるって事か。
ブリッツウィングを見下ろすと、
「しょうがないな、お前と一緒でも良いぜ」
とにやにや笑っている。
無性にむかついたので腹に一発蹴りを入れてやった。
*2008/09/03 前ブログより転載・加筆修正