輸送任務に就くことが多いので、なかなか基地に帰ることはない。
アストロトレインも同じ輸送を受け持っているはずなのに、オクトーンの方が遠隔地に飛ばされる。
それに不満があるわけではないが、仲間とわいわいやる時間が少ないのはちょっと寂しい。
とにかく久しぶりに帰った基地は変わっていなくて、ちょっと安心した。改装でもされた日にはとんでもない疎外感を味わう羽目になる。
「よう!元気だったか」
帰る、と通信を入れたのでハッチのところで待っていてくれたらしい。あいかわらず元気なブリッツウィングが駆け寄ってきた。
「おう」
挨拶代わりのパンチを受けとめて笑う。
「久しぶりだな、ブリッツウィング」
「ああ、任務お疲れさん。アストロトレインは仕事が終わってから来るってよ」
「そうか、じゃあ報告してから行くからよ」
「ん、先に行ってる」
後でな、と手を振ってブリッツウィングは去っていった。
メガトロンへの報告を軽くやっつけて、休憩室に向かう。
入るとブリッツウィングとアストロトレインは先に座ってエネルゴンを飲んでいた。他には人はいない。
バーでなく休憩室で三人集まるのは邪魔されずに楽しむ為だ。
大勢でわいわいやるのも悪くないが、任務の後はゆっくり飲みたい。
入口を向いて座っていたアストロトレインが気が付いて手をあげる。
「オクトーン!元気か」
ブリッツウィングも振り向いて頷く。
「まあ座れよ」
差し出されたエネルゴンを受け取って腰を下ろす。
「で、今回はどうだったんだよ?」
アストロトレインがエネルゴンジャーキーをしゃぶりながら聞く。
「お前、それオヤジくさいからやめろよな」
「うるせぇ」
「まぁ首尾は上々よ。危険なこともなかったしな」
「どうせ船は自動操縦だろ。ディスクばっか見てたに決まってるぜ」
鼻で笑うアストロトレインをはたく。
「悪いかよ。あ、新しいの手に入れたんだ、見るか?」
「おっ、いいな」
「別嬪さんだぜ、腰抜かすなよ」
身を乗り出すアストロトレインと逆にブリッツウィングはあからさまに軽蔑したような顔をした。
「ブリッツウィングはやめとくか?」
「お前らとは趣味があわねぇ」
「お子様にはわからねぇかなー、素晴らしさがよ」
アストロトレインが笑うとブリッツウィングはむっとしたように叫ぶ。
「だれが子供だ!」
「その反応がな」
オクトーンがつい吹き出すとブリッツウィングは口を尖らせて黙り込んでしまった。
からかおうと開いた口を、アストロトレインをみて閉じる。
さっきまでからかってたくせに、なんとも微妙な顔をしている。
ブリッツウィングが黙り込むのが嫌なら最初からからかわなきゃいいのによ。
「ほんと、子供だな」
2人とも、と小さく付け加えたつもりだったが、同時に振り向いた2人に睨まれてオクトーンは肩をすくめた。
*2008/09/02 前ブログより転載・加筆修正
*2008/11/23 加筆修正