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まただ、またいつもの繰り返し。
ぎりぎりと締め付けるスカイワープの指を殴りながら頭の片隅でフレンジーは考えた。
「てめえ今日という今日は許さねぇ!」
「そりゃこっちの台詞だ」
何度繰り返しただろう、このやり取りを。
…それに続く一連のやり取りを。
スカイワープが俺を放り投げる、それでサンダークラッカーが来て……
沸騰しているくせに頭の隅では冷静なままな自分が少しおかしかった。
力一杯入れた拳に呻いてスカイワープがフレンジーを放り投げた。
衝撃に息をつまらせる。
今日は何にぶち当たっただろう。
目を開くとスカイワープがしまった、という顔をしていた。
「いい加減にしろよ」
溜息混じりの声が振ってくる。
「大丈夫か、フレンジー」
そっと起こされて背中を軽く叩かれる。
外傷が無いのを確かめる指がくすぐったい。
「全く…」
サンダークラッカーに睨まれてスカイワープは肩を竦めた。
「別にお前にぶつけようと思った訳じゃねぇ」
「それを怒ってんじゃない」
首を振ってサンダークラッカーはもう一度深く溜息をついた。
「喧嘩ばっかりしやがって」
モニターの前に座ったサンダークラッカーにスカイワープが口を尖らせて言い返す。
「お前だってスタースクリームと喧嘩するじゃねぇか」
なんで俺だけ、と不満そうに言うとぽこりとフレンジーの頭を叩いた。
「やめろって言ってんだろうが!俺とスタースクリームの喧嘩とお前とフレンジーの喧嘩は違う」
「じゃあスタースクリームと喧嘩するのは良いのかよ」
「良い。こいつらは小さいだろ。確かにお前をのすくらいの力もあるし頑丈だが、見てて嫌だぜ」
「人間なんてもっと小さいぜ?遙かに弱いしよぉ」
どこか困惑したようにサンダークラッカーはスカイワープを見た。
「お前ら仲間だろうが」
言われてスカイワープは笑い出す。
「仲間だろうとなんだろうと仕方ねぇっての!」
げらげら笑い転げながら言うスカイワープにサンダークラッカーも苦笑する。
「仕方ねぇか…まあそうだな」
俺だって喧嘩するしなぁ、と笑ってサンダークラッカーは視線を落とした。
に、と笑うサンダークラッカーに抱き上げられてフレンジーは身体を強張らせた。
「スカイワープは思う存分叩きのめしていいからな」
今でも叩きのめされてるか、と笑う振動が伝わってくる。
頭に置かれた手の重さが心地良かった。
見上げるとサンダークラッカーは楽しそうな笑顔を浮かべて見返してくる。
スタースクリームともスカイワープとも同じ姿なのに。
つくづく不思議だ、と何度も繰り返した疑問をもう一度思う。
今日もきっと答えは出ないだろう。
*2009/01/04
*2012/06/11 ブログから転載、加筆修正